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2011年5月30日月曜日

Favorite『いろとりどりのセカイ』体験版

いろとりどりのセカイ 応援中!!
 最後までやったけどこれは凡ゲーより下と言わざるを得ない……ということで残念ながら本作も『CAFE SOURIRE』と同様、購入候補から除外となった。六月発売予定作品の中では期待していたので体験版の出来は肩透かしを食らったと言う感が強い。どのくらい期待していたかというと、PCの壁紙を本作のものにしていたくらい(公式サイトからダウンロード可能)。期待していた=購入予定作品が連続して買わないことになるのは勿論残念ではあるが、一方でエロゲにお金を消費しなくて良いのでこれでグラボは悩まず買えるなあ、などと嬉しく思う面もある。
 工作スレでは主人公がダメダメ言われていて、確かにぼくもそう思った。でも主人公以前に文章自体が問題。不要な修飾表現がモノローグにも台詞にも多くてキャラの好き嫌いとか関係なく、読み進めていて面白くない。正直この拒否反応っぷりを示しながらも体験版を最後までやれたのは事前期待が大きかったからに過ぎず、作品内容が良かったとかそういうことはない。
 ちなみにPCの壁紙は『Brink』になりました。軽やかな美少女ズからいきなりマッシヴになってしまった……

2011年5月26日木曜日

最近欲しいヤツら

最初に記しておくが、これはチラ裏エントリだ。エロゲ以外の気になるものをピックアップした。それぞれSF小説、エロアニメ、PCパーツと統一性がない。

●パオロ・バチガルピ『ねじまき少女』
ねじまき少女 上 (ハヤカワ文庫 SF ハ 17-1) ねじまき少女 下 (ハヤカワ文庫 SF ハ 17-2)

バチガルピなのかバチガルビなのか覚えにくいバチガルピの長編が刊行されてた。長編がっていうか、〈S-Fマガジン〉誌以外で邦訳作品が掲載されるのが始めてっぽい。ミエヴィルと並んで今後とも注目して行きたい作家。多分内容はカギューちゃんが環境汚染されまくった近未来でインフラ整備士として働いて云々。嘘だけど……と思ったが少し調べてみると当たらずとも遠からずなのか?「第六ポンプ」もそうだったし、環境汚染テーマを頻繁に使う作家なのかもしれない。

●PIXY『Tentacle and Witches ~第1話 俺、触手になりました~』

作画良さそうで気になる。最初にキャラデがエロアニメクオリティを越えてたので興味を持って、トレーラーの1:12の触手変形シーンでやられた。トレーラー冒頭の日常シーンは「作画的見所ねーな」としか。特効はエロアニメだとどこまで出来るのか気になるも、暗い室内がメーンステージっぽいからあんまり目立った違和感はなさそう。まあ気になると言ってもほんの少しで割と許せるポイントでもある。OVA『ToHeart2』なんかはすごいのっぺりだったけど……いや、いい。これはアニメの見方で評価が変わる部分なんじゃないかな。アニメの肝は純粋なアニメートだよ、うん。それに新海アニメや『SISTERS』みたいにハレーションが鬱陶しいよりはずっと良い。
あとリリーが可愛いのが評価高い。ブヒヒ。あ、でも擬似でもボテ腹はあんまり好きじゃない。それどころか触手モノがそもそも趣味じゃない。多分息子の方では使えないような……と、観る前から言うのはあんまりか。
価格はDMMが送料無料で最安。特典とかないので素直に安いところで買う予定。DVDBOX出そうな気がするけど、多分待てない。BOX出てそっちが欲しくなったら単品パケは売るというのもアリ。

●Radeon HD 6850
【AMD Radeon HD 6850 グラフィックス (http://www.amd.com/jp/products/desktop/graphics/amd-radeon-hd-6000/hd-6850/Pages/amd-radeon-hd-6850-overview.aspx)】
FPS用にグラボを新調したい。コスパ重視で6850を選択。ファンについては冷却性能は重視するが、静音性はまったく無視で大丈夫なタイプ。
候補は以下。
・SAPPHIRE HD6850 1G GDDR5 PCI-E DL-DVI-I/SL-DVI-D/HDMI/DP:
SAPPHIRE製。レビューの評価も高め。価格も安い。
・AF6850-1024D5H1
AFOX製……知りません。ファンが二つなので冷却性能が高そうなのでチェックした。
・GV-R685OC-1GD
GIGABYTE製。上記同様ファンが二つで、値段が少しだけ高くなる程度。知っているメーカーという点ではSAPPHIRE同様安心感はある。

●Phenom Ⅱ x4 965/970
【AMD Phenom II プロセッサ (http://www.amd.com/jp/products/desktop/processors/phenom-ii/Pages/phenom-ii.aspx)】
975が実売価格いくらになるかってところ……
M2N-EのドライバでAM3対応されてたので買いたくなってきてしまった。今使っているのがAthlon 64 X2 4600+なので、そこから1ステップ確実に上の速度を出してくれそうなこのクラスを選びたい。恐らく発熱と消費電力は僅かな上昇で抑えられる。
CPUはIntelのものに浮気したい気持ちがあるけど、Intelにすると(775ソケットみたいな稀なものを例外として)ソケット乱立しすぎて、CPU交換はマザボ交換と殆ど同時に行わなければならないのでどうにも手を出しにくい。

2011年5月23日月曜日

CUFFS『CAFE SOURIRE』体験版

Cafe Sourire
 薄々感じ取ってはいたけどCUFFSは系列のSphereとCUBEも含めてもうダメだ。容赦なく購入候補から落とした。トノ☆コンビを擁す以上、その系列ブランドから出される作品に求められるものはそのコンビの作品か、コンビのものでなくても同程度の水準を持った作品か、或いはコンビが作るものとは全く別の性質の作品となる。だけど今のところここが作り出しているものは単純な劣化版トノ☆ゲーでしかないように感じた。今回もそう。☆が一部だけ原画を担当しているけれど、『Canvas』、『水月』、『さくらむすび』であったような圧倒的なグラフィックの向上もなく、テキストは絶妙なバランスで不快へ転げ落ちるのを器用に避けるトノとは違ってgdgdでテンポが悪い。一番気になったのが実際的な監督という存在が制作チームに欠けているのではないかということだ。ぼくは一人称を「無理に」統一することに拘りはなくて、状況によって使い分ければいいと思っているのだが、この体験版では明らかに異様な不一致が見られた。選択肢後のテクストだったので恐らく担当ライターがその時点で変わっていたのだろうけれど、一人称が、それどころか主人公の性格すらもガラリと変化していたのだ。具体的に言うと海水浴の際の選択肢で香澄さんを選んだ場合だったんだけど、これにはライター個人の持つ技術力や感性などの特性によるもの以前に、現場でマトモにチェック出来る体制が作られていないのではないかと感じさせられた。『Garden』を未完成状態でリリースした前科があって、そして今回でこんな再犯の気配を見せられてしまえば、僅かに残っていた期待は霧散するしかないではないか。

2011年5月22日日曜日

jellyfish『SISTERS ~夏の最後の日~』

【jellyfish - sisters - (http://www.jellyfish-pc.com/sisters/index.html)】

 案の定ネタバレで、しかも工作スレの殆どの感想とは異なり一回も抜けなかった人の感想なので悪しからず。ぶっちゃけ原画集と設定資料ディスクに釣られて買った本作は、事故で負った脳損傷が原因となり長期記憶保持ができない主人公をそれでも慕い続ける姉妹を描いた作品。アニメーションが他のゲームとは一線を画すセールスポイントではあるが、ストーリーもかなり異色。他の多くのエロゲーでも視点変換が起こり(視点変換が起こらずとも物語の流れで)ヒロインが主人公の立場となることはあるが、ここまで主人公の人格を破棄し、ヒロインを持ち上げる作品は珍しい。こんな話だとは意外だったけれど、短篇として読ませるのなら非エロゲー的ではあるが、なかなか巧く要素を纏められていたんじゃないかと思う。プレイ時間はすごく短くて(FPSより短いよ!)値段はフルプライスより高いから、アニメーションが入っていても納得できない人はいるだろうけれどね。ぼくはジャンルを考えない限り一作品としてはこういうのもアリだとは思うけど、普通のエロゲと思うと不満点を覚える部分もある。
 主人公の自我の希薄さは『ドラクエ』や『Portal』のようで殆ど自主的な言動はなく(その状態を考えれば確かに不思議とまでは言えないのだが)、姉の春香と妹の千夏、それから二人の母の秋子(主人公にとっては異母?)に導かれるように生活を続ける。物語が進み過去の断片が語られるまではバックグラウンドが不明なままで、特に千夏と春香が登場するまではシュールとまで感じる。3Dモデリングされた室内を移動する視点がFPS的なこともあり、そういうゲームじゃないことはわかっていても不安感を煽られる。牧歌的な山間に建てられた一軒家と周囲は平和そのもので、それが逆に作り物めいたようにも思えて、どことなくヴァーチャル世界内に主人公の意識が――それも疑問を感じ、行動を起こすような意識モジュールを予め排除されている状態で――囚われているような気配さえした。状況のわからないままという不気味さを生活感が希薄で清潔な環境で上塗りした違和感を主人公自身が感じられなくともプレイしているぼくたちは感じられる。手間を掛けてでも背動にすれば、こういう恐らく製作側が意図しなかった不気味さというのは抑えられたと思うし、もっと言っちゃえば、従来のエロゲー的マップ画面を使った移動方法にしてしまっても良いのではないかと思った。何より移動シーンは見ていて面白い訳でもなくスキップ不可というのが辛い。終わった今となってはあの妙な緊迫感のある移動方法は味があったとも言えなくはないけど、室内モデリングをするならもっと別の箇所に力を入れて欲しかったというのが本音。
 ストーリーは前に述べたような状況であるためにエロゲーらしいお気楽さはない。物語の終盤、春香は千夏に自分の気持ちがいつかわかるようになると語るが、それは殆ど確実に訪れる主人公の記憶障害による思い人と共有した時間の断絶による悲しみが前提としてあることをプレイヤーは予測できる。千夏は春香の言葉に促されるように、過去を振り返ることによって内面の補填だけは成すだろうけれど、それは普通の人たちが感じられる相手と自分の立ち位置でないので残酷にも思えるかもしれない。しかしカタチアルモノハイツカコワレルというテンプレ文章があるように喪失というものは人生に必ずつきまとう(SFならそうでもなかったりするけど)。主人公と春香/千夏の関係は失われるまでの時間が一般的な恋人や夫婦などのものと比べて極端に短いという点は特殊だし、別離の前に徐々に相互関係意識の断絶が起こるという点の二つの性質が状況の特異性を感じさせるが、喪失の不可避性は他の全てのケースと等しい。ついでに言うと後者の特殊性は認知症とかで実際に多くの人が経験してるのかもわからんが、これは余談が過ぎるか。多分、千夏はもう主人公から目を逸らすことは出来ない。自分でもそれがわかっていて、その上で普段の人間関係では意識しない喪失を強く意識させられる状況にあるから彼女は苦しむ。春香も彼女の苦しみを理解し、その上であの言葉を千夏にハッキリと伝えた。諦念とも思えるが、事実として生者は死という大きいな喪失から、普段の生活の中にあるちょっとした後悔等々の各損失を日々受け容れなくてはならない。失うことを恐れて自らを日々苛むか、それとも自分が以前そうであったように幸せな一時を受け容れる強さを持すか……生きているということが死と隣り合わせなら、ずっと泣いているだけではいられない。春香の表面的な性格からは想像できない芯の強さを、姉として大切な妹の千夏に伝えたシーンだ。他にも主人公は事故前の父の葬儀の時に、葬式って退屈で嫌いだし自分が死んだら灰は海に撒いてくれと千夏にだけ言っている。千夏という一人の少女が大切な人の半喪失という状況――だからそれは未亡人とかそういうよくある状況とは違い、フィクションにおけるテンプレ的解決作を持たない――をどうやって捉えて、そして実際にどうするのか。この後彼女が選ぶのは逃避かもしれないし、それを譴責することは出来ない(実在しないキャラだからってコトでなくて、気持ち的にってコトでね)。エロゲ的でなく同人作品や短編小説のような要点のみを凝縮した内容になっているから、普通のエロゲでは描きにくい別離をどう受け容れるかという部分を注視できたのだとぼくは思う。
 最後に余談ながら、神坂公平はもっと作品をエロエロに出来ると感じる。今回はある水準のリアリティを保持しなければ作品の雰囲気が損なわれるからエッチシーンは……ぼく個人としては控え目になっていたと思う。別に変態じみたプレイを熱望しているというわけではなく、二次元的に抜けるようなウソ描写や台詞回しが氏ならば可能だと思う。本作でも十二分に「使えた」という声は多かったが、ぼくは嘗てLIBIDOが作っていたような、もう少し軽めにチャチャッとエッチシーンに入る短編集的作品でもアリだったんじゃないかと思う。まあソレはくらげの何だかんだで物語をしっかり作るというスタンスとは違ったものになってしまうのかもしれないね。

2011年5月18日水曜日

AXL『愛しい対象の護り方』体験版

AXL新作第7弾「愛しい対象の護り方」2011年4月28日発売予定!
 『愛しい対象の護り方』、或いは『愛しい対象(カノジョ)の護り方』。こういう括弧付きタイトルって検索しにくいんだよね。ゲームショップのサイトで検索する時は「愛しい対象」をキーワードにするのが吉。
 端的に言って体験版をプレイしてもそれまでの印象と変わらず、それなりの水準を維持していてはいるけれども平凡という域を出ない。人間の抱える陰湿で暗い部分を徹底的に排除したAXL的陽気さはPMFという職種が潜在的に持つ影の部分を感じさせず、舞台が特殊な環境であっても美少女ゲームの原点の一つである輝かしい青春を映し出しているとも言えるが、数々の作品の中で埋もれてしまう気がする。
 というか体験版の尺がちょいと短すぎやしないか。丁寧に心地良いエピソードを積み重ねていくタイプの作品だろうから『カミカゼ☆エクスプローラー!』くらい長めでもいいのに。何よりやっていて不満がないので、長くても苦ではないし。しかしロッテが美冬を魔乳女と称していたが、残念ながら『カミカゼ☆エクスプローラー!』と『キミとボクとエデンの林檎』という近日発売予定のオッパイゲー(特に前者はキマっちまうくらいヤバいぜ)に比べれば大したことはあるまい。

2011年5月12日木曜日

iPhoneでのテキスト編集(PCと同期しなきゃイヤだ!)

 iPhoneでテキスト編集をする時に使っていたPlainTextの代替ツールを探してみた。先に結論を言っちゃうとDroptextでFA。
 ぼくはテキストを書く時はプレーンテキスト(txtファイル)を使うのが好きで、リッチテキストフォーマットは重いし面倒だから使わない。アウトラインプロセッサも汎用性という点であまり使いたくない。windowsで文章を書くときにはサクラエディタを使っていて、これにはテキストトピックツリーというなんちゃってアウトラインプロセッサ機能(アウトライン解析。下のスクリーンショット見た方がわかりやすいよ)があるし、URLやhtmlやjavascriptのコードも自動的に判別して色分けしてくれる。更に動作も軽いし、マクロも使用可能、エディタ内でタブを開いて複数のテキストファイルをシームレスに閲覧・編集できることも気に入っているのでこのソフト以外でテキストを編集しようとは思わない(秀丸とか似たようなソフトなら話は別)。だからEvernoteやGoogleDocs、Simplenoteみたいなweb上にテキストを保存して専用のエディタ(クライアントソフト)で編集というスタイルではなくて、ローカルフォルダにtxtファイルを入れておいてそれをDropboxやSugarSyncで随時同期させるというやり方が好ましい。

これがサクラエディタのテキストトピックツリー


 PlainTextはその要望に見合うiOSアプリだったがアップデートで広告が表示されるようになってしまった上に、もっと致命的なことにテキスト編集中に自動でスクリーンアップしてしまうバグが発生した。そこでPlainText使用時に運用していたフォルダをそのままで流用できるアプリがないか探したところ、いくつか候補を見つけた。

Textforce (¥450)
【Textforce ≪ domo Apps (https://domoapps.wordpress.com/2010/10/06/textforce/)】

Notesy (¥600)
【Support (http://notesy-app.com/support/)】

Droptext (¥115)
【Invisions Technical Arts ≫ Droptext (http://blog.invisionsta.com/category/droptext/)】

Nebulous Note (¥230)
【Nebulous Notes Documentation - home (http://nebulousnotes.wikispaces.com/)】

Elements (¥600)
【Second Gear Product Support (http://www.secondgearsoftware.com/support/)】

NOTEBOOKS (¥700)
【Notebooks for iPhone | helpify (http://www.helpify.de/notebooks-for-iphone)】

Nocs (¥230)
【WISD: Nocs (http://www.wisd.com/nocs/)】

WriteUp (¥230)
【WriteUp - with Dropbox (http://writeup.prasannag.com/)】

JotAgent (¥115)
【JotAgent for iPhone and iPad (http://apps.macrecon.com/jotagent/index.html)】

 以上がiTunes Storeで"Dropbox"とキーワード検索に入れて出た候補の中からテキスト編集できそうなアプリを絞って、そこからPlainTextを除いたリストになる。価格面を気にする小市民としてJotAgentとDroptextが最初に検討するものとなる。
 JotAgentはテキスト編集できないという日本語記事があったけど、公式見る限り機能追加されたのか編集も可能っぽい。使ったことないけどEvernoteマッシュアップアプリのFastEver的な感じだと思う。詳細は上記ページの「JotAgent Title Formatting Guide」に載っているが、ぼくは新規テキスト作成よりもPCで作成したテキストファイルに手を加えることが多いので、アプリ起動時に新規ファイル作成画面が強制的に表示されるのならそれは面倒。設定で立ち上げた時の動作が変更できるのならいいのだが。
 Droptextは上記ページの「Invisions announces Droptext」と「Droptext 1.1.1 Approved」と「Droptext 1.1.4 now supports iOS 3.1.3」という記事で機能について書かれている。フォント、バックグラウンドカラーの変更が可能(今後対応っぽい)。txt/html/php形式、TextExpander、パスワード、オフライン対応。なかなか良さそうなので購入してみた。実際に使ってみるとPlainTextと違ってファイル/フォルダ名のフォントサイズが適宜縮小されて見やすい。横向き画面にも対応しているので極端に長いファイル名でなければ余裕で表示可能。

このスクリーンショットは上がPlainTextで下がDroptext



 また、PlainTextのアルファベットソートはどんな名前のものだろうとフォルダが一番上に表示されて、それからファイルがその下に表示される。Droptextはファイルとフォルダという属性は無視して、同等に名前のみで並べられる。これの好き嫌いは人それぞれだろう。フォルダ名を()でくくったり頭に!や#を付ければPlainTextライクな表示が出来るので汎用性はDroptextの方があると思う。
 ここからは不満点をいくつか。Droptext起動時にはDropboxのルートフォルダが表示される。PlainTextみたいに特定のフォルダを起動時のデフォルトに設定できれば尚良い。また、フォルダ内検索機能はない。最も痛いのは、ファイル/フォルダ名の変更ができないこと。別命保存で新たにファイルを作成して元ファイルを削除したり、リネームの際は他のアプリに依存したりと少し面倒だったりした。
 以上のようにPlainTextと比べて細かいところで一長一短だが主たる要望には答えられていると言えると思う。低価格だし人柱覚悟で買ったものとしては十分かと。あとは不満点については作者にブラッシュアップの要望を出しておこうと思う。
Hello. Droptext purchased. Here's a look now with a half day. Droptext drawback is the inability to rename files and folders. If the root directory is specified then, I think that better. This is perfect if PlainText additions like search.
ってカンジでいいかな。

2011年5月10日火曜日

伊藤計劃『虐殺器官』



 これも<S-Fマガジン>二〇一〇年五月号の予習。第五回日本SF評論賞・優秀賞受賞作「「世界内戦」とわずかな希望――伊藤計劃『虐殺器官』に向き合うために」(岡和田晃)というのがあって、それを読むために急遽取りかかった。勿論コレもそのうち読むつもりではあったが。
 単行本版の『ハーモニー』は既に読んでいたのだが、それを読み終わった1,2時間後にwebで著者の訃報が発表されて、それから伊藤計劃の名前が出てくるコンテンツにはマトモに向かい合えなくなっていた気がする。例えば『伊藤計劃記録』なんかは故人という一種の付加価値を伴ったアイドルを利用したようで何か厭だったのね。何となく感覚はわかってもらえると思うんだけど。尤も、いくら出版社が死霊術的経済活動を行っていてもそれは資本主義に於ける生き方の一つだし(資本主義が正しいかどうかはまた別のお話だけれど)、故人の作品というのはそうやって世の中に遺されていくのであって批判されるようなことではない。ただぼく個人の感覚として亡くなったのがあまりに最近すぎるということがあって、死がイベント的に処理されることに戸惑いを覚えていたというところだろう。感情は理性をショートカットするってヤツだ。その悶々気味な気持ち悪さがなくなったわけではないけれど、漸くこの作品を読んだことで少しは素直に伊藤計劃は良い作家だったと言えそうです。
 正直なところ『ハーモニー』を読んだ時はここまで書ける作家だとは思わなかった。形は違えど両作品とも管理社会を舞台としているが、『虐殺器官』の方がリアリティがある。それは多分、作中のテクノロジーの問題ではなくて、『ハーモニー』が《大災禍(ザ・メイルストロム)》後の世界を描いていて、それが比較的現実とかけ離れた……かけ離れているとまではいかないけれど現実との繋がりが強いというわけじゃなかった。『虐殺器官』は正に「今の世界」と繋がっている近未来SFで、人工筋肉やあらゆる生体認証を用いることを前提にした社会インフラなどが描かれているが、それでも描かれているのははぼくらの世界の拡張版である。なぜこういう印象なのかというと世界が先進国と後進国という風に隔てられ、先進国は後進国をコントロールしようとする図に現実感を感じて、テクノロジーはその手段を補うものでしかないからだ。それによくわからない政府(〈生府〉)の女性エージェントよりも米国軍の特殊部隊員が主人公をしていた方が面白いというところも本作の方が嗜好に合っていると言える。これは男なら兵器に憧れを抱くというのと同じレベルの理不尽さを以て効果を発揮する。その特殊部隊が存在するかしないかということはまったく問題ではなく、米国軍内部でプロフェッショナルっぽい連中がいるということが重要。ブラックチェンバーという語に興奮しない男児などいてたまるか!(暴言)あと『ハーモニー』は単純にナノテク使った自発的『幼年期の終わり』というだけくらいの評価だったんだけど、『虐殺器官』にあってはそういうのに頼らないで人類が持つ器官を用いていたのも好みだった。特に面白いと思ったのは思考は言語に規定されないっていうところ。ぼくはてっきり思考言語なる語が存在しているから、思考は言語に規定されると思っていたよ。確かに多重草稿的意識の特定の部分から言語的なものになるかというのはあって、所謂表面的な入/出力点で言語が利用されるのだろう。だから全面的に思考は言語に規定される/されないというのは少し強引なのかもしれない。これは何か書籍を参考にしたとかでなく個人的な予想だけどね。大森望の巻末解説には予想される(明示されていなかったので解説者の知識に照らし合わせたものだろう)参考文献として『解明される意識』、『自由は進化する』、『言語を生みだす本能』、『人間の本性を考える』、『心の仕組み』、『脳のなかの倫理』、『人が人を殺すとき』が挙がっているので重労働になるだろうが読んでおきたい。きっと思考が言語に規定されるか否か、そしてそのステージはどの点かということは明確な定義付けを行った上で明示されているのだろう。ただ、科学≒SF的思考転換とかよりもどちらかというと作品全体はエンタメに傾いていたように思えた。少なくともそう読めた。これは三月の震災及び原発事故によって健康と安全が低コストで提供されるモノではないということをわからされたということもあるし(一人暮らしやら年金やらでみんなも密かに感じていたとは思うんだけど)、私事では丁度これを読んでいたゴールデンウィークの三連休初日に外耳炎を患って右耳に慢性的な激痛を感じていたが、連休が明けるまで病院が開かないこともあって、安定した生活を手に入れる為には対価が必要だとスケールが小さいながらもしみじみと感じてしまったからだろう。『虐殺器官』にもそんなメッセージ性があったと思うんだけど、外耳炎の痛みで吹き飛んでいた。フィクションの痛みは現実の痛みに勝てないよな。そうじゃなきゃフィクションを娯楽として扱えないから、これは幸福なことなんだろうけれど。
 あとちょっとしたツッコミとしてはルツィアの暗殺命令が何でクラヴィスに伝えられてなかったんだろうね。このへんは物語の流れを作るためのちょっと強引な手口なんじゃないかと思った。

解明される意識
ダニエル・C. デネット
青土社 ( 1997-12 )
ISBN: 9784791755967

自由は進化する
ダニエル・C・デネット
NTT出版 ( 2005-05-31 )
ISBN: 9784757160125

言語を生みだす本能〈上〉 (NHKブックス)
スティーブン ピンカー
日本放送出版協会 ( 1995-06 )
ISBN: 9784140017401

言語を生みだす本能〈下〉 (NHKブックス)
スティーブン ピンカー
日本放送出版協会 ( 1995-07 )
ISBN: 9784140017418

人間の本性を考える  ~心は「空白の石版」か (上) (NHKブックス)
スティーブン・ピンカー
NHK出版 ( 2004-08-31 )
ISBN: 9784140910108

人間の本性を考える  ~心は「空白の石版」か (中) (NHKブックス)
スティーブン・ピンカー
NHK出版 ( 2004-08-31 )
ISBN: 9784140910115

人間の本性を考える ~心は「空白の石版」か (下) (NHKブックス)
スティーブン・ピンカー
NHK出版 ( 2004-09-30 )
ISBN: 9784140910122

心の仕組み~人間関係にどう関わるか〈上〉 (NHKブックス)
スティーブン・ピンカー
NHK出版 ( 2003-06-29 )
ISBN: 9784140019702

心の仕組み~人間関係にどう関わるか〈中〉 (NHKブックス)
スティーブン・ピンカー
NHK出版 ( 2003-06-29 )
ISBN: 9784140019719

心の仕組み~人間関係にどう関わるか〈下〉 (NHKブックス)
スティーブン・ピンカー
NHK出版 ( 2003-07-26 )
ISBN: 9784140019726

脳のなかの倫理―脳倫理学序説
マイケル・S. ガザニガ
紀伊國屋書店 ( 2006-02 )
ISBN: 9784314009997

人が人を殺すとき―進化でその謎をとく
マーティン デイリー, マーゴ ウィルソン
新思索社 ( 1999-12 )
ISBN: 9784783502180

2011年5月9日月曜日

H・P・ラヴクラフト『ラヴクラフト全集』(一~七巻)(大西尹明、宇野利泰、大瀧啓裕訳)

 <S-Fマガジン>二〇一〇年五月号で特集として「クトゥルー新世紀」というものをやっているので、その前に予習として読んでおこうと思って全巻読破。別巻はもういいや、お腹いっぱいすぎて吐きますので。<S-Fマガジン>以外にもクトゥルーを扱った作品は多いので、そのうち読んでおかなくてはならないと思っていたので、まあ、何というか、年貢の納め時だったわけ。
 読んでみると自分が今まで読んだ派生作品と比べると随分受ける印象が違う。巻末解説から予想するにダーレス以降が作り出した神話大系が今日のクトゥルーと呼ばれるものの大部分であり、それはラヴクラフトの作品と僅かにしか結びつきがないのだろう。ぼくもダーレスが善悪二元論の単純な形式にラヴクラフト作品を落とし込んで、それがクトゥルーの持つ元の性質を単純化し、大衆的に受けるようなことにしてしまったという話はどこかで読んだことがあった。そしてそれが所謂ダーレスの功罪と言われ続けていると。だからそのこと自体はわかっていたんだけど、説明を聞いて形式的に理解するのと実際に手を触れてみて体感的に理解するのは別だし、やっぱりいつかはクリアしなくてはならないタスクだった。
 作品自体については殆どが面白いとは思えない。勿論恐怖感は皆無。ぼくが本を読み終わった後にあまり内容を吟味しないで感想を投稿しているサービスの読書メーター【読書メーター - Kenさんの読書メーター (http://book.akahoshitakuya.com/u/850)】でも「つまんねー」と言い続けていたくらい。一つは冗長に感じることがあって、単純に文章がすごく面倒。次に恐怖や嫌悪の感じ方が納得し難かったり説明不足だったりすることがありすぎて、イマイチ感情移入できなかったというのがある。勿論、第一巻収録の中篇「インスマスの影」などはSFでなければ問題解決ができなさそうな明確な生物学的変異が一種の病理への恐怖として理解できるといったように、いくつかは納得できるものもあった。しかしギャグかと思うようなものもかなり多くて、この作家がどうしてここまで評価されるようになったのかということについては体感できなかった。
 こんな感想が殆どを占めてしまうが、面白いと言えるものもある。第六巻収録の「銀の鍵の門を越えて」がそれで、他のラヴクラフト作品とはかなり毛色が違うけどすごくいい。この巻は元祖(じゃないと思うけど、ラヴクラフト以前の作家として)「ぼくが考えた神々」のダンセイニから影響を受けた通称「ダンセイニ風掌編」及び関連するランドルフ・カーターを主人公とする作品が収録されている。ちなみにこの巻もそれなりにギャグは多い(調子乗りすぎなバルザイや強すぎて笑える猫たち)。「銀の鍵の門を越えて」は同書収録の「銀の鍵」のスピンオフで、キーアイテムの銀の鍵を用いて別の時空間への旅をしたカーターが出会う高次元の知性体の語る様がまさにSFのそれであり、全集を読んでる間にずっとSFを断っていたこともあってかなり興奮した。次点では「狂気の山脈にて」や「ファラオとともに幽閉されて」があるが、前者は地理的検証の正確さ、後者はエジプトという舞台の新鮮さという点あたりしか評価できず、水準を超えるものではなかく、やはり自分の中では「銀の鍵の門を越えて」は突出した作品として印象付けられた。

ラヴクラフト全集 (1) (創元推理文庫 (523‐1))
H・P・ラヴクラフト
東京創元社 ( 1974-12-13 )
ISBN: 9784488523015

ラヴクラフト全集 (2) (創元推理文庫 (523‐2))
H・P・ラヴクラフト
東京創元社 ( 1976-08-20 )
ISBN: 9784488523022

ラヴクラフト全集 (3) (創元推理文庫 (523‐3))
H・P・ラヴクラフト
東京創元社 ( 1984-03-30 )
ISBN: 9784488523039

ラヴクラフト全集 (4) (創元推理文庫 (523‐4))
H・P・ラヴクラフト
東京創元社 ( 1985-11-29 )
ISBN: 9784488523046

ラヴクラフト全集〈5〉 (創元推理文庫)
H.P. ラヴクラフト
東京創元社 ( 1987-07-10 )
ISBN: 9784488523053

ラヴクラフト全集〈6〉 (創元推理文庫)
H・P・ラヴクラフト
東京創元社 ( 1989-11-24 )
ISBN: 9784488523060

ラヴクラフト全集7 (創元推理文庫)
H・P・ラヴクラフト
東京創元社 ( 2005-01-22 )
ISBN: 9784488523077

2011年5月3日火曜日

四月末のゲーム購入戦略――の反省会

 買ったのは『大帝国』と『relations sister×sister.』と『Sisters~夏の最後の日~』。予定予算を大幅にオーバー。五月は『キミとボクとエデンの林檎』が延期してくれることを願うばかり。『Sisters』は実は買う予定がなかったから当然予約もしてなかった。マスターアップした後に一時的にテンションが高まって予約しようかと思っていたのだけれど、他二作が既に予約済みだったし、作画目当てとしても新アニメが放送開始され、五月には『ヱヴァ破』の原画集が発売されるために作画的餓えは当時感じられなかったから購入候補から抜かしていた。けど発売前から覗いていた工作スレを発売後も見ていると随分評判がいいし、反してぼくが予約して購入した二作は評判が悪い(事実、ぼくは今月末ゲーム購入者の中では自らを負け組だと思うくらい)。しかも『Sisters』は店頭在庫がない状態だと聞いて焦り、発売二日後の三〇日に秋葉原へ赴いて購入した。確かにどこにも新品は置いてなかったが中古なら少ないとは言えいくらか見受けられたので何とか手に入れることはできた。初回特典の原画集欲しかったしね。追加で祖父特典のCDも某所で購入し、総額としては九〇〇〇円弱の出費。これなら祖父で最初から予約してれば良かった。バカ、オレマジバカ!
 この中で一番最初に手を付けて一周もできてない『大帝国』はどうしようか迷ってる。冷静に考えたら作業ゲーで大した面白さもないので、さっさとアンインストールを実行して他二作と今後発売されるゲームの体験版に時間を回すべきなんだろう。しかし早期からサントラと一緒に予約しちゃっていたという事実があり、プライドとモッタイナイ精神がせめて一周はせよと叫び続けている。このゲームは色んなところでバランスが悪い。シナリオもエロもアリスには期待していなかったが、それにしてもゲーム全体のバランスが良くない。ゲームの流れは{戦域移動・艦隊編成パート(セーブ可能)→イベントパート(セーブ不可)→艦隊戦パート(セーブ不可)}の繰り返しなのだけれど、敵勢力の艦隊編成が偵察等で判然とさせられないので一度艦隊戦パートでそのターンに交戦する予定の全ての敵勢力をスクリーンショットで撮影した後にリセットで戦域移動・艦隊編成パートに戻って敵勢力に合わせた構成をしなくてはならない。さらにイベントパートもイベントがものすごい数のリストになっていて、特定のイベントを消化しても次のイベントに五段階程度の進化をして終了というリスト項目が多く、しかも一ターンに一イベントしか実行できない。イベントは特定星域に侵攻したりすると消えてしまうものもあるので、どうしても単調な防衛を繰り返しつつイベントを消化していくというプレイスタイルになる。これが単純に面倒くさいし面白いわけがない。期待が高かったばかりにがっかりしている状況だ。もうストラテジーはSTEAMで買うだけでいいかなあとすら思う。ていうかもうアリスがね……
 『relations sister×sister.』と『Sisters~夏の最後の日~』は動作確認だけしたのみでプレイしてない。工作スレを見てだいたいの評判は把握して、やっぱり『relations sister×sister.』のライターは駄目だったかという感はあるけど、買った手前『Sisters』やった後には取り組みたい。
 結局のところ今月末は『Sisters』と『Portal 2』を買った方が満足度は高かったのかなあと思わずにはいられない状態。ちなみに『Portal 2』はセールでちょっと安くなるタイミングを狙っています。