一週間の人間インターンに挑戦する化け猫少女の話。期待通りと言ったところ。ほんとうに、それ以上でもそれ以下でもなくて、もちろん驚愕も興奮もなく、かといって暖かな気持ちになれるかと言われるとそれほどでもないが、それでいい。そんな気分だったし、ヘビーなのが読みたいときには間違いなく手に取らないだろうタイトルと表紙。親切設計で、上手いことパッケージにまとめられた本だったと思う。妙なバトル展開や無理のある設定が突きつけられるわけでもなし、そういったものがなくても人物描写がおざなりな点に引っかかって嫌気が差すということもなかった。捨て猫の話は、主人公たちが猫だからある意味ハードなんだけれど、まったくそれを感じさせないあたり狙ったところに落ち着けていると思う。もしペシミズティックな話が読みたいなら、ディックでも読んでる。
伏見つかさの文章はこれまでに『俺の妹がこんなに可愛いわけがない』でしか読んだことがなかった。あちらのテクストは主人公の主観から出力された形式だけれど、こちらは客観的な形式。その地の文章がやけにフラットで、所々抜抄するとSF小説みたい。
人間ならば誰もが当然のように知っていて、日常的に使っている、人間特有のコミュニケーション方法について、思い至ることができない。ほら、これだけなら未知知性体とのファーストコンタクトっぽくなる。(どうでもいいっ!)(『ねこシス』三八頁)

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