2009年7月9日木曜日

レコ




 パンツを穿いていなくて誰が咎めよう。ベルニーニやロダンの彫刻も穿いていないものは多い。つまりまあ……うん、マエバリって久々に見たような気がするなあ。
 シューティングゲーム『虫姫さまふたり』の主人公レコ(Reco)のフィギュア。制作はマックスファクトリー。もっと写真を見たいなら公式の紹介ページ「はいてない!?スジクッキリ「虫姫さまふたり レコ」レビュー」を参考されたし。原型師名は発表されてないが、多分だけれど志賀弘臣の制作。氏が個人出品したガレージキットをリファインしたものと思われる。その当時のものの写真を見ると今回の完成品とはかなり異なる部分があるから、もしかしたらリファインは別の人がやったのかもしれない。
 筋肉がしっかりしていて良い。写真に撮った腋、腹部、脚が特に美しい。三角筋や胸筋の細いながらも腕を上げることによって盛り上がってる部分にも思わずニンマリ。個人的には胸より、その周囲の形に惹かれる。可愛らしさや、服飾の細やかな部分の再現も重要だけれど、最近は良くできているものが本当に多くて、個人的なフィギュアの選別方法は人体のプロポーションを優先するようになっている。どうしても原作イラストの再現となると画面的な見栄え重視で筋肉などが描かれていないものをそのまま立体に起こすことがあるけど、やはり立体になる際には肉と骨を感じさせる作りがより大切になってくると思う。とは言ってもこのレコの場合は原作イラスト担当のHACCANも筋肉表現をしっかりするタイプのイラストレーターなので、そこまで大胆に肉付けをしたと言えないのかもしれないが、ともかく非常に美しい人体である。
 クリアパーツも大抵の場合は違和感が先行するけれど、これはとても良い効果を発揮している。光の当たり方にもよるけれど、髪のピンクから黄色へのグラデーションもクリアパーツでなかったらこんなに綺麗にきまらなかったのかも。ちなみに原作だと束ねた部分の髪先はオレンジだし、多くの部分はもっと紫がかっている。この変化の理由は気になる。塗りも担当がいる筈だが、そういうのはなかなか表に出てこない、いわば舞台裏の作業である。ミカタンブログとかよりも、業界のテクを知らしめるべく制作陣のインタビューとかをやって欲しい。まあ、企業秘密だと言われてしまえばそれまでだけれど。
 もはやフィギュアの話ではないけれど続ける。レコのデザインはあざといけど可愛いで留まらない良さがある。まず『虫姫さま』の設定が卑怯で『地球の長い午後』+美少女って言えば『ナウシカ』だけど、『ナウシカ』以降だってそのアイデアの使い方は健在で、まだまだ魅力的なパワーを秘めている。そこで土臭くないビジュアルを投入しつつもアンバランスにならないあたりがセンスという名の努力の結晶だ。綺麗で、可愛らしくて、優しげで、しかもちょっとエロティック。アニメーターを目指しはじめてから、こういうデザイン面での深い思慮がどうしてもできなくなってしまう。こういう面での観察眼も時には必要とされることがあるだろう。良い機会なので『虫姫さま』のイラストレーションをじっくり観てみることにしよう。
 ちなみに原作ゲームはゲーセンでプレイしたことあるけれど無理だった。『東方』とかならまだしも、あんな本格弾幕は……ウルトラモードのDVDに記されているフレーズは"虐狂の極悪上弩へようこそ"。可愛いビジュアルに騙されたオタクは多いと思う。

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